「こぶし(辛夷)」は、モクレン科モクレン属に属する落葉広葉樹で、春の訪れを象徴する花の一つです。
桜よりも少し早く、3月から5月にかけて真っ白な花を咲かせます。特に北海道や東北などの寒冷地では、冬の終わりを告げる「春告げ鳥」ならぬ「春告げ花」として親しまれています。
特徴と名前の由来
- 名前の由来: つぼみの形が人間の「握りこぶし」に似ていることや、集合果(実)のボコボコとした形がこぶしに見えることからその名がついたと言われています。
- 見た目: 直径7〜10cmほどの白い花びらを広げます。よく似た「ハクモクレン」は花が上向きに閉じたような形で咲きますが、こぶしは花びらが全開になり、花の付け根に一枚の小さな葉がついているのが見分けるポイントです。
暮らしとの関わり
- 田打ち桜(たうちざくら): 昔の農家の人々は、こぶしの開花を合図に田植えの準備を始めたため、別名「田打ち桜」とも呼ばれます。農業の暦(こよみ)としての役割も持っていました。
- 花言葉: 「友情」「信頼」「歓迎」など。春の光を喜ぶような、明るく前向きな言葉が並びます。
今の時期、青空を背景に高い枝先で白い花が揺れているのを見かけたら、それはきっと厳しい冬を乗り越えた「こぶし」の花ですね。
