札幌の冬は、時に厳しいながらも独特の美しさを持ち、私たちの日常に哲学的な彩りを添えてくれます。
吹雪が舞う季節、私はよく琴似の街を歩きます。視界を遮るほどの雪が、世界を白一色に塗りつぶす光景は圧巻です。この圧倒的な「白」は、すべてを覆い隠し、無垢な状態へと戻す自然の力の象徴のように感じられます。
しかし、足元に目を向けると、そこには雪の白と、まだ雪に覆われていないアスファルトや建物の「黒」との鮮やかなコントラストがあります。この白と黒の織り成す光景こそが、陰陽の思想を体現しているかのようです。
東洋哲学における陰陽は、相反するものが互いに依存し合い、調和を保ちながら存在するという考え方です。白一色の吹雪の中にも、必ず黒の要素、つまりまだ雪に埋もれていない部分や、隠された力強さが存在します。また、黒い大地もいずれは白い雪に覆われます。この絶え間ない変化と循環が、陰陽のダイナミズムなのです。
琴似の街でこのコントラストを眺めていると、人生における困難や喜び、静と動もまた、この白と黒のように隣り合わせで存在し、一つとなって私たちの経験を形作っているのだと気づかされます。吹雪の後の静寂な雪景色のように、嵐の後には必ず穏やかな時間が訪れます。
この親しみやすい日常の風景から、私たちは自然の大きなサイクルと、人生のバランスについて、改めて思いを馳せることができるのです。
