琴似の街の雨が上がり、濡れた歩道がやわらかな光を反射している。濡れた花びらからは深みを増した香りが立ち上り、頬を撫でる濡れた風はどこか気持ちがイイ~。
我が家のベランダに、落ち窪んだ羽を休める一匹の弱ったセミが飛び込んできた。
ついこの間まで賑やかに季節を謳歌していた声も今はなく、ただ静かに最後の時を慈しむかのように佇んでいる。
その姿に、確かに過ぎ去りつつある夏の終わりと、忍び寄る秋の気配を強く感じる。
季節の境目に漂う澄んだ空気は胸の奥まで通り抜け、実に心地よい。
去り行く夏の寂しさと、新しい季節を静かに迎える高揚感が交差する、愛おしい日常の一コマである。





